今回は、色彩心理学から見たハーバリウムの効果と作り方をご紹介したいと思います。
ハーバリウムを作ろうと思い立った理由は、
インテリアとして飾りたい、簡単に出来る趣味が欲しい・・・。
と様々だと思いますが、色彩心理学の観点から見ると「今気になっている色のドライフラワーを使ったハーバリウムを部屋に飾る」という事はとても心身に良い影響をもたらしてくれます。
カラーでセラピーが手軽に出来る
例えばウインドウショッピングをしていて、最近同じ色味の物ばかりに目が行くなあ・・・と感じた事はありませんか?
それは、「その色が持つ心理的効果を今の自分が必要としている」から――。色彩心理学ではそのように考えています。
ここで重要なのは、あくまでも「今の自分」がその色に魅力を感じているという事です。
つまり、その色の持つ心理学的なパワーを心身が十分に補充したと感じたら、その色にはあまり惹かれなくなっていきます。
それは「昔から青が好き」などという嗜好的な感覚とは違います。
青はいつも好きなんだけど、最近なぜか黄色に目が行く・・・
このような場合の「黄色」が、今の自分が欲している『セラピーとしてのカラー』です。
ですので、自分の感覚で手に取った色彩のドライフラワーを使ってハーバリウムを作る、そしてそれを視界に入るところに置いておく――。たったそれだけで、ハーバリウムが心身のバランスを整えるセラピー効果を発揮してくれます。
実はカラーセラピーは、「気になる色を視界に入れる」という作業と「その色に魅力を感じなくなったら視界から外す」という作業がセットになっています。
ですので飾ったハーバリウムの色彩に何の魅力も感じなくなったら、ちょっともったいないですが中身を入れ替えてみて下さい。「今の自分が気になっている色」でハーバリウムを作りなおしましょう。
オイルの捨て方は「紙などに吸わせて燃えるゴミに出す」とひと手間ありますが、もっと高価なインテリアで気になる色を取り入れた場合よりはフットワーク軽く色彩を変える事が出来ます。
大型家具やカーテンなどでカラーセラピーをするのももちろんいいと思いますが、取り換えの効く雑貨などでセラピー色を取り入れる方が手軽に始められると思います。
もし心身がとても疲れていて、本格的にカラーセラピーをしたいと思うのであれば部屋全体をセラピー色でコーディネートする事もおすすめです。ですが、色彩はメリットとデメリットが表裏一体ですので、その色がうっとおしくなってきたら是非模様替えをして下さい。
ハーバリウム以外でも、そのような作業(カラーを選べ、気が変わったら他の色に取り換える事が出来る)が気軽に出来る趣味がありましたら是非実行してみて下さい。
今回はハーバリウムにスポットをあてていますがカラーセラピーという観点からは、自分がその時々で気になった色の雑貨や果物等、なんでもいいので部屋に置いて頂けると心身のバランスに変化があると思います。
では、早速ハーバリウムを作ってみましたのでご参考にして頂ければ幸いです。
ハーバリウムの作り方
【必要なもの】
瓶、ロングタイプのピンセット、ハサミ、ハーバリウム用のオイル、ドライフラワー
作り方
①瓶とピンセットを洗って消毒し、乾燥させておく。
②ドライフラワーの配置を決める。
③瓶に詰める。
④瓶を斜めにし、オイルを瓶の側面伝いにそっと流し入れる。
⑤瓶の中の気泡が上がってきて無くなってから蓋をする。瓶の淵のオイルをぬぐってから蓋して下さい。
色彩心理学としてのカラーの役割
色彩心理学は、その色が持つ意味を知っておくと日常に手軽に取り入れる事が出来て便利です。
私の場合は、カラーセラピストの資格は取りましたがそれで生計を立てるという程極めたわけではありませんので、ご参考程度に一読して頂けると幸いです。
色は、心身に良い影響を与えてくれるケースがありますが、その反対にネガティブな側面もあるという表裏一体の部分もあります。突き詰めようとすると選びきれなくなってしまうという本末転倒な結果にもなりかねません。ですので、ざっくりとしたポイントを抑えて取り入れるのがいいと思います。色のご説明に関しては、筆者の関連記事で既にまとめていますので、そちらと内容が重複しますがご容赦下さい。
赤
生命の源の色です。明るい赤は、やる気がありエネルギーに満ちている時に好む色です。そういう状態になりたい場合は、小物等一部に赤を取り入れるとよいと言われています。一方、血液のような暗い赤は、生命の危機を連想する色です。暗い赤と黒の組み合わせは闘争本能に関わる色なので、寝室や書斎等ではあまり必要のない色です。
青
冷静さや誠実さ、知性等を表す色です。書斎にブルーを置いておくと、集中力や判断力が持続すると言われています。夏には涼し気ですが、冬には寒く感じる色となります。また、自然由来の食品にはない色と言われており、食欲を減退させる効果もあるようで、食卓に使う場合はピンポイントで。規律を重んじる意味合いの色でもありますのでトラディショナルな雰囲気を演出したい時に使えます。
緑
目に優しく、癒し効果があります。リラックスしたい時に使う色です。実は世界中の建築を見渡しても、和室が一番リラックス効果があるという説もあるほどで、茶室等に見られる畳や木枠の色は、気持ちを静め集中力を高めてくれる効果的な色です。
一方、モスグリーンは疲れ切った時には落ち着く色ですが、あまり長時間モスグリーンの中にいると暗い気持ちが誘発され、動けなくなってくることも。モスグリーンに惹かれる時は、一部使用にとどめる等部屋全体に使うのは避け、視線をモスグリーンから外せる状態にしましょう。観葉植物の緑などと程よく組み合わせるのもよいと思います。
緑は社会や他者との調和を促す色です。コミュニケーション力を高めたい時によい色ですが、その反面コミュニティーの輪から外れるような意見をないがしろにしてしまう心理になる場合があります。そういった一面があると認識して色の効果を享受するのがより良い使い方になると思います。
黄色
黄色信号が注意喚起として使われているように、注目を集めたい時に使う色です。色自体は明るさ、元気のイメージを持ち、インテリアの一部に使うと元気が出る色です。太陽の光を象徴しており、目標をもって前進したい時などに気になる色です。また、逆にぼーっとなって集中力が途切れがちな時、視界に黄色をワンポイント入れておくとよいと言われています。ですが多用するとうるさくなってしまいます。私はレモンやバナナなど、果物の色でインテリアの一部に取り入れています。
オレンジ
庶民的で楽天的な色です。家庭的な暖かさも感じられる色なので、ダウンライト等はオレンジ色の電球色をお勧めしてくるインテイリアコーディネーターさんも多いのではないでしょうか。
その昔、人類は外敵から身を守るためにも火を使いました。プレッシャーやストレス等不安がある時は、オレンジの光を見ることで気持ちも安定してきます。カジュアルな色ですので、多用すると安っぽさが出てしまうという一面もあります。
紫
心身のバランスを整える色です。細胞の損傷を防ぐ色ともいわれており、病気や疲労から回復したい時に惹かれることがあります。また、感受性を鋭くし、インスピレーションを高めてくれる効果もあります。また、自然な発色の紫をうまく使うと部屋に上品なイメージを与えてくれます。
ピンク
ピンクは人を優しい気持ちにしてくれます。また、女性ホルモンを活発にする働きがあるらしく、女性を若々しく保ってくれるので小物等身の周りに常備しているといい、という説もあります。攻撃性を和らげる効果があり、穏やかに過ごしたい寝室等のプライベートゾーンに使ってみると良いと思います。
茶
居心地の良さやぬくもり、安心感を得られます。大地をイメージし、重厚感を演出したい時に使います。ただ、多用すると重苦しい雰囲気になりがちなので、白と組み合わせて明るくしたり、オレンジと組み合わせてカジュアルなイメージとミックスさせるのも手だと思います。
白
清潔感が演出できます。傷ついた細胞を修復する色とも言われており、病院で白を多用するのは理にかなっていると言われています。ただ、白は黒やグレーと同じように「色味のない色」ですので、部屋がほぼ白一色、という状態をずっと続けてしまうと感情が乏しくなることも。白をカラーセラピーとして多用する場合は身体が復活したと感じたら他の色を投入して部屋のテイストを変えて下さい。
白は、暗い色も引き立てるので部屋にコントラストを付けたい時に便利です。
グレー
他の色との組み合わせがしやすく、落ち着いたイメージを与えてくれます。グレーに惹かれる場合、外からの刺激がストレスになっているかもしれません。黒にも言えることですが、自分を隠したいという心理が働いている事もあります。心理的な効果を考えると、グレーをメインカラーにすると気持ちが沈んで来る事もあるので、うまくさし色を入れて視線を分散させると良いと思います。インテイリアにピンクを使ってみたいけど子供っぽくなるのでは?という時、淡いグレーと組み合わせると大人でも使いやすいピンクになります。
黒
外敵から身を隠すのに闇夜はもってこいな色の為か、心理的に自分をさらしたくない状況の時に黒に惹かれます。格式のある色でもあるので、他の色や木目調の素材等と組み合わせながら使うとよいと思います。
一方、黒は体内の臓器の活動を弱める色とも言われており、考えながら使うのがいいと思います。
まとめ
今回は、ハーバリウムを通してカラーセラピーをしてみませんかというお話をさせて頂きました。
気になる色が持つ意味を知ると、どのような効果が得られるのかが分かってきます。
どのような効果を今の自分が必要としているのか・・・それを知る事で心身の状態を理解する事が出来、どうすれば良好な状態にもっていけるのかが分かってきます。
身の周りにある、無意識に集めたカラーにはどんな効果があったのか…ちょっと意識して観察してみると面白いです。是非ご参考にしてみて頂けると幸いです。