2017年、12月。アメリカのミネソタ州では84年ぶりの寒さとなったクリスマス。10分間、外気にあたるだけで凍傷になる恐れがあるという非常事態なニュースを見ながら考えました。日本も今年は結構寒いです。
エアコンと加湿器だけで毎年乗り切っていた我が家ですが、皆様どのようにお過ごしでしょうか?
冬将軍だの寒波だの、あまりの寒さに萎え切った今日この頃。第二の暖房グッズの購入もやむなし。ちょっと電気屋さんに行ってみよう。
コスパ最強の暖房器具を選ぶ為に必要なこと
まずは失敗談から。
電気屋さんの暖房器具コーナーでエアコン以外のものを見るのは久しぶり。見渡すと、ご同輩と思われる方もちらほらいるようです。ひとしきり店員さんの説明を聞いた後、商品を決めきれず去っていく方も。思うに『展示商品はどれも魅力的だが、どれにしてよいか判断が出来ない』という迷走が敗因ではないでしょうか?
そこで今回は、失敗を重ねた過去の体験も交えつつ、最適な暖房器具に最短で辿りつくためのざっくりとした予備知識をちょっとでもお伝え出来ればと思います。
それでは見ていきましょう。
まず最初に、『暖房の目的』と『設置場所』を明確にしたいと思います。
『どこで』『どのように』使うのか?
我が家に関してですが、使用目的は、夜中まで作業しているパソコン周辺の寒さ対策でした。ですので、設置場所はピンポイントにパソコンの傍です。さらに言うと空気が乾燥せず、加湿器を買い足ししなくて済むものが希望です。
その条件で、商品を絞っていく事にします。
暖房器具の種類と性能について
暖房器具の種類は、大まかにジャンル分けすると、3つです。
【温風を発生させて暖める対流式の暖房器具】
エアコン、ガスファンヒーター、石油ファンヒーター、セラミックファンヒーター
【温風ではなく暖房器具自体が暖まる事により周囲も暖めていく輻射式の暖房器具】
石油ストーブ、オイルヒーター・パネルヒーター、電気ストーブ、床暖房
【体が触れることで暖まる発熱体、伝道式の発熱体】
ホットカーペット、電気毛布、こたつ
今回の目的はパソコン作業での指先と足元の冷え対策です。ですのでホットカーペット類の暖房器具は除外しました。
では、対流式か輻射式か?の選択です。
【対流式の暖房について】
ガスファンヒーター、石油ファンヒーターは、エアコンのように空気が乾燥しないので、乾燥対策としては優秀です。また、電気のファンヒーター(セラミックファンヒーター)も、最近は加湿器とセットになっているものが多く、湿度対策もクリア出来ます。
ここからは我が家の、というより私の事情から独断で考察していきますので、私にはピッタリくる選択だとは思いますが、皆様にはご参考程度に一読していただければと思います。
ガスファンヒーターのメリット、デメリット
ガスファンヒーターは昔一人暮らしの時に使ったことがあります。つけたらすぐに暖まり、ほんわりとしたぬくもりがとても快適です。
定期的に換気が必要ですが、ガスファンヒーター自体で空気が乾燥するわけではないので(建築工法などで乾燥するしないの差は出てくると思います)、心地よい暖かさといえると思います。ですが気を付けたいのは自宅が都市ガスかプロパンか、です。ガスファンヒーターを使う場合、都市ガスであればプロパンよりはガス代が低くなるそうですが、プロパンに関しては割り高になるケースが多いようです。プロパン会社によってガス使用料はまちまちなので、契約しているガス会社が相場より高いのか低いのかを調べてから検討した方が安心です。高かった場合は他社を検討してからガスファンヒーターの設置を考えましょう。あるいは賃貸に住んでいて、大家さんが一括して契約しているのであれば、大家さんに相談してみるのも手です。
私がガスファンヒーターを入れた時は、プロパンガスでした。料金の知識など何もなかったので、大家さん側の事情による設置でしたが深く考えずに快諾しました。翌月突然跳ね上がったガス代に驚愕したのを今でも覚えています。
翌月届いたガス代の請求額は1万6千円。あまりの額に0を一桁読み間違えたのかと、請求書を2度見しました。
ちなみに現在、我が家の12月のエアコンの電気代(リビング18畳用1台)は、5062円です。エアコンを使わない月の平均電気代は7000円から8000円、11月のガス代は7278円です。
エアコン1台を含む電気代 13000円くらい+ガス代7278円=20278円
ガスファンヒーター1台を含むガス代16000円+電気代8000円=24000円
これはあくまで我が家の場合なので、どのような生活パターンの方にも当てはめて考える事はできませんが、1例としてご参考にしてください。
エアコンは2016年に出た、電気代があまりかからないタイプのものを使っています。
そんな経験から、今回ちょっとガスは除外します。ですが自宅が寒冷地でしたら、大いに検討すると思います。
石油ファンヒーターのメリット、デメリット
次に石油ファンヒーターですが、もちろん空気を乾燥させることはありません。ですがガスと同じく定期的な空気の入れ替えは必要で、灯油を定期的に購入し、その保管場所も確保しなくてはなりません。ガスは、設置するのに工事が必要な場合がありますが、その後の点検などはガス会社にお任せです。それに比べると石油は、設置は手軽ですが、その後に灯油の購入などの労力がかかってきます。
石油ファンヒーターも昔使ったことがありますが、すぐに暖まり、暖房としては快適です。が、匂いが気になるところではあります。後は、灯油を扱う以上安全に気を配りました。
コスパの面ですが、灯油の価格に変動があるので光熱費の管理という点では不安要素が残ると思います。
そしてこれはうちの場合ですが、シャッターのついた1階で夜中まで作業しているので、空気の入れ替えの為にわざわざシャッターを開けたりするのも大変だな、ということで今回は石油ファンヒーターも検討外となりました。
セラミックファンヒーターのメリット、デメリット
セラミックファンヒーターは、電気による温風です。手軽にパソコン回りを暖めてくれるという点で魅力的な商品だと思います。加湿器が付いているものを選べば買い足しもしなくて済みます。問題点としては、広範囲の空気を暖めるのが難しいというところです。4畳半程度の部屋を暖める目的であれば、手軽という点で優秀だと思います。ただ私の場合なのですが、色々とアレルギーを持っていまして、これがいつも厄介の種になってきます。アレルギー検査をするとカビに対してどえらい反応を示すので、衛生管理はこれでもか、というくらい念入りにせざるを得ません。その一環として、加湿器は毎年使い捨て、と決めています。どんなに高いモノを買っても、赤カビが発生した時点で廃棄処分です。
ですので、我が家では加湿器問題をクリアできないため、今回は検討外としました。
私の場合、今回の選択肢は輻射式の暖房器具1つとなりました。
では、石油ストーブにするのか、オイルヒーター(もしくはパネルヒーター)にするのか、電気ストーブにするのか。我が家に関しては、1階はメインの生活の場ではないので(2階にキッチン、リビング、夫婦の寝室があります)床暖房は除外します。
石油ストーブのメリット、デメリット
一番の魅力は何と言っても室内外両用という点ではないでしょうか?コンセントやホースもなく、手軽に持ち運び出来ます。
庭にテラスなどをお持ちで、きれいな夜空を眺めながらホットコーヒーでも飲みたい、などという方でしたら1台あっても損にはならないと思います。ちょっとやってみたいことの1つに入っている方、要チェックです。
ですが、気を付けたいのは自分のメンテナンス不足以外でもトラブルが発生するケースがあるという事です。
商品の不具合などでトラブルが起きることもあり、いったんトラブルが発生したら、一酸化中毒や火事など、事態が深刻化するケースもあるので、要注意です。
オイルヒーター、パネルヒーターのメリット、デメリット
オイルヒーターは電気を使って器具内のオイルを暖めるもので、パネルヒーターはスイッチをおせば電気のパネルがすぐに暖まるものです。オイルヒーターは立ち上がりが遅いのに対して、パネルヒーターはすぐに立ち上がります。
また、オイルヒーターは部屋全体を暖めることが出来るのに対して、パネルヒーターはピンポイント使いに向いています。
電気代に関しては、使用方法によりコスパが変わってきます。オイルヒーターは自動オンオフがついており、ある程度部屋が暖まったら自動でオフされます。ですので、1時間当たりの電気代はオイルの方が数円単位で高いですが、長時間使うとなるとオイルの方が安上がりになるかもしれません。
どちらもまず一番惹かれるのは、あまり高温にならないので(機種によります)、やけどの心配が低いという点です。ですので、子供部屋だったら大いに検討したい商品です。なんといっても輻射式の暖房器具の良さは、アレルギーに優しいいということ。空気を乾燥させず、ホコリも立たせない。フィルターがないのでメンテナンスもほとんどいらないのがメリットです。
デメリットといえば電気代がかかるという事と、特にオイルに関してですが設置場所によっては効果を発揮しづらいという点です。昔実家でオイルヒーターを使っていたことがありますが、たぶん置いていた場所が適材適所ではなかったからだと思います。階段もある玄関フロアで、暖める傍から空気が2階へと逃げていったからでしょう。何のためにあるのかというくらい、寒かった記憶があります。もちろん場所を考えて置けばとても安心して暖まれる暖房器具だと思います。
コストですが、オイルヒーターは1200w~1500wの消費電力でだいたい1時間に30円前後から、高いと40円くらいのようです。エコモードがついている機種ですと自動で温度を調整してくれるので、何時間かつけたままにした場合、電気代の総額は少なくなるようです。ですが、機種代も性能に合わせてupしていきます。種類によっては電気代が1時間10円前後のヒーターもあるそうなので、購入後のコスパを考えながら商品選定をした方がよさそうです。
パネルヒーターの電気使用量は、簡易的なものですと1時間の電気代4円程度からありますが、高いと30円近くになる場合もあります。
もしうちに小さくて動きも活発な子供がいたら、もちろん検討したい商品ではあります。
ですが今回検討しているのは、広いスペースを小さく使うものぐさな大人2人の為のものですので、コスパを考えると初期費用が高くなるので検討外としました。
電気ストーブのメリット、デメリット
一口では言えないくらいの種類があり、一番迷うのが輻射式電気ストーブです。
結論から言うと、うちはシーズヒーターという種類の電気ストーブを今回購入しました。
シーズヒーターは立ち上がりは遅く速熱性はあまりないが、何時間か使うのであれば、カーボンヒーターよりも暖かい、と電気屋さんが仰ってました。
さて、輻射式電気ストーブですが、5種類に分かれます。
ニクロム線電気ストーブの特徴
・低価格
・部分暖め
お手頃価格な1000円くらいから商品展開しているので、ついつい手を出してしまいそうになりますが、使い勝手を考えた方がいいでしょう。足元など部分的に暖めるのであればいいのですが、例えば椅子に座っていて足元も指先も、という全体的な暖め方は出来ません。長時間使うと電気代がかさむため、コスパもよくない良くないようです。使うシーンとしては、なんとなく足元だけ寒いので暖めたい等、暖めるのは一部だけでいい、という状況の場合に出動させるのがよさそうです。
ハロゲンヒーターの特徴
・速暖性はある。
・体の芯から温める遠赤外線タイプと違い、暖かさは低い。
・部分暖め
近赤外線の放射量が多く、速暖性はありますが暖かさは低いです。トイレや脱衣所、クローゼットの前で着替え時に使うなど、ピンポイントでの部分暖め用です。ですが、同じピンポイントなのであれば、遠赤外線のニクロムを使ったほうが体が暖まりやすいのでは?と思います。
カーボンヒーターの特徴
・遠赤外線なので、ハロゲンよりは暖かいとされている。
遠赤外線の放射量が多く、ハロゲンヒーターに比べて半分程度の電力で暖めてくれます。赤外線放射量はハロゲンの2倍で、ハロゲンよりカーボンの方が暖房器具としては性能が高いようです。
グラファイトヒーターの特徴
・速暖性がある。
速暖性があるので、すぐに暖まりたい時に便利です。レベルとしてはコンマ何秒で立ち上がるのか、というハイレベルな戦いです。
省エネというほどではなさそうですが、温度設定を調節すれば節電効果は得られます。
シーズヒーターの特徴
・速暖性はグラファイトヒーターより低い。
・遠赤外線の放射量が高く、長時間使った場合の暖かさに違いが出るとのこと。
遠赤外線の放射量が高く、電気屋さん曰く、一旦体が暖まったらしばらくその暖かさが持続するとのことです。ですので、一定の暖かさを得たら後はマメに温度調節して節約もできそうだと考え、コスパとしては優秀だと判断しました。ちなみに今回購入したシーズヒーターですが、温度調節は10段階あり、電気代はMAXの状態で1時間24.3円です。設定段階を中間の5にした場合、MAXの半分の電気料とは言わないまでも、60%くらいには電気代が抑えられるそうです。5~6に設定して使用した場合の電気使用料をメーカーさんに問い合わせしてみたら、1時間17円くらいと仰っていました。
電気ストーブの温度調節は2段階設定のものからありますが、節電を意識するのであればなるべく細かく調節できるものを選んだ方が電気代を抑えられると思います。
シーズヒーターを使ってみて
温度設定を10に設定していると思ったより暖かくなるので、5~6くらいで使っています。速暖性はないと言われましたが、1分もしないうちに暖まってくるので、立ち上がりが遅いとは思いません。
ですが、朝、超特急で着替えしなければならないという緊迫した状況下での使用の場合でしたらグラファイトヒーターの方が使い勝手はいいかもしれません。
今回の電気ストーブのチョイスについてですが、使用環境や使用目的によっては商品の選定が大きく変わってくると思います。我が家の場合はまず、寒冷地ではないということ。そしてメインの暖房は省エネタイプのエアコンであること。
サブ機として選んだのがシーズヒーターです。
どの暖房をどのように組み合わせると、トータルの光熱費はいくらになるのか。
コスパを選ぶなら、組み合わせも重要です。
もちろんコスパだけじゃなく、その暖房器具から得られる満足感もそれぞれあると思います。今回はあくまで商品選定のたたき台として、コスパ重視のお話をさせていただきました。
お気に入りの暖房グッズを見つけて、暖かい冬をお過ごしください。